聖母(生神女)マリアの肖像

至聖なる処女マリアの髪の色は明るく、黒い眉の下に切れ長の目をしていた。顔の形は丸くもなく、鋭くもなく、卵型だった。彼女の手の指は長かった。彼女はよく働いた。もっとも好きなことは読書に従事することだった。彼女は息子キリストの血によって成聖された場所をよく訪れた。服装は貧しいと言ってもいいぐらい極めて質素だった。彼女の語る言葉の一つ一つが恩寵によって息づいていた。彼女が人々と対話する時、神と対話しているかのように感じられた。  聖アンブロシーが生神女について記述したところによると、「彼女は絶えず聖書を読み、疲れを知らずに働いた。彼女は誰をも傷つけることなく、すべての人に善を望み、たとえ卑しい人であっても、誰をも厭わなかった。また誰をも笑うことなく、見る物すべてをその愛によって覆っていた。彼女の口からは決して恩寵を運ばない言葉が出ることはなかった。全ての行いにおいて彼女は高潔なる処女の模範だった。」  彼女の聖性についての記述は同様にエピファニィとニキフォルの著にも見受けられる。 「神の母が話すことはまれで、ただ必要なことと善なることのみ話した。彼女は各人にしかるべき尊敬をもって接した。一人一人としかるべき対話をし、その際笑わず、困惑せず、まして厭うことなどなかった。彼女には傲慢のかけらもなかった。すべてのことにおいて単純で、すこしの偽りもなかった。」  捧神者聖イグナチイの書簡からはまた次のことが読み取れる。「神の母は苦難の時も迫害の時も喜びに満ち、貧しい時も窮乏のときも悲しまず、彼女に侮辱を加える者に対して怒らないだけでなく、喜ばしい出来事に際しては彼等に恩を施しさえした。彼女は温柔だった。彼女は貧しき人々に憐れみ深く、彼等に出来る限りの援助をした。我々の信仰に敵対する者に対しては断固として自分の立場を譲らなかった。イウデヤの律法学者やファリセイが彼女を嘲笑った時、彼女はどれほど謙遜だったことだろう。言われていたところによれば、イイススの母の内の人性は、彼女の聖性のために天使の性と結合しているかのように思われた。」
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